緑内障による中途失明 は中途失明原因の第 1 位です。緑内障は、視野の中に見えない部分ができ、それが徐々に広がっていく病気です。視野が欠けていることになかなか気付かず、失明してしまうケースもあります。
もともときちんと正常な視力があったが、病気や事故などで視力を失い目が見えなくなってしまうことを「中途失明」といいます。それまでモノが見えていたという記憶があるために、中途失明は精神的にも大きなダメージを受けます。
目をつぶってみてまっすぐ歩けるかどうか、試してみるとその怖さに驚くでしょう。障害物や車、人が見えないというのは、精神的に大きなダメージとなります。適応するまでには長い時間を要します。
中途失明の原因はさまざまですが、最近、急増しているのは、「糖尿病の合併症による網膜症」と「緑内障」です。糖尿病は、自覚症状が出にくいだけでなく、発症すると病気の付き合いは一生に及んでしまいます。
もちろん、定期的な健康診断や血液検査を受ければ、糖尿病の進行具合も知ることができ、対処方法はたくさんあります。それに比べて緑内障は、自覚症状が出にくいだけでなく、診断を下すまでに、眼底検査、眼圧検査、視野検査など複数のチェックを行わなくてはなりません。早期発見も難しく、それだけ手遅れになる危険が高いといいます。
緑内障は、急性(閉塞隅角緑内障)と慢性(開放隅角緑内障)に分けられますが、急性の場合、激しい目の痛み、頭痛、吐き気、目がかすむといった症状が急激に出るため、異常に気づきやすいといえます。
進行が早いために、放置しておくと2~3日で失明することもあります。もちろん、正しい処置をすれば失明に至ることはありません。
慢性の緑内障は、視野が狭くなってくるという症状がありますが、症状が少しずつ進行するため患者は意外なほど異変に気づきません。
右手と左手でそれぞれ輪をつくり、右手は左目に、左手は左目にあててください。こうすろと、視野が手で作った輪の範囲しかありませんが、こうした状態になっている患者さんもいます。
こういった状態でも、モノにぶつかったり、テーブルの上の食器をひっくり返したりするのですがl、緑内障とは気づかないのです。
慢性の緑内障は、発見が遅れることが多いのですが、日頃から視野の変化がないかどうかを気に掛けておくことが大切です。